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 茨城県内では、多くの女性農業員が登用され、女性ならではの活動を展開しています。
 このコーナーでは、女性農業委員の活動を紹介しています。

   ※平成28年4月から、これまで全国農業新聞に掲載されたもの



    
◎牛久市農業委員会  中山みつい委員
◎桜川市農業委員会  谷島知子委員 深谷加津子委員
 廣澤貴子委員
◎利根町農業委員会  小倉美代子委員 高橋和子委員
◎行方市農業委員会  小沢悦子委員
◎大子町農業委員会  鈴木和子委員 齋藤美枝子委員
◎稲敷市農業委員会  小貫和子委員
◎神栖市農業委員会  原 範子委員
◎行方市農業委員会  谷田清子委員
◎八千代町農業委員会  和田ふみ委員 中村さと子委員
◎城里町農業委員会  髙圡悦子委員




  

牛久市農業委員会 中山みつい委員

       - 担い手増やすための食農活動 -      


 花卉農家として半世紀以上のキャリアを持ち、女性農業士として永年活動してきた牛久市の中山みつい委員。

 戦争を体験した義父が「前後の平和な時代には、人の心を潤すものを作りたい」と始めた花卉栽培では、ユキヤナギやダリアなど可憐な花々を育てています。

 女性農業士は県組織の会長まで務め上げ、農村女性のリーダーとして、社会参画の場づくりに取り組んできました。

 そんな活躍ぶりが評価され、市で初めての女性農業委員になったのが平成17年。農業委員経験のあった夫に「農業委員の仕事は農地を守る大事な仕事」と教わり、使命感を持って農地パトロールなどの汗を流すい一方、年々、耕作放棄地が増えることに胸を痛めていました。

 耕作放棄地に菜種を植えるなど、その再生作業にも取り組んだが、「耕作放棄地をこれ以上増やさないために必要なのは、農地を耕す若い担い手を育てること」。その思いを夫と共に行動し力を注ぐのが"食農活動"だ。

「将来、農業に携わる人に成長してほしい」と自宅の畑で、地元の小学生に種まきから収穫まで一連の農作業を指導。土や作物に触れながら、農業の楽しさと大変さを伝えています。

 「10年間はこの活動を続けよう」と約束した夫は、活動開始から7年目に病気で他界。1人では気が重いとやめることも考えたが、子供たちが畑の授業を楽しみにしていることを知り、今も活動は継続しています。「目をキラキラさせて農作業をする子供たちに、私も学ぶことがたくさんあります」と話す。

 平成14年には「いばらき女性農業委員の会」の会長に就任。目下の目標は、まだ女性農業委員がいない市町村でその登用を実現させること。「女性がいると委員会の活動はさらに活気が出る。何とか女性のいない市町村をゼロにしたい」と意欲を話してくれました。

     全国農業新聞「明日につなぐ」より (平成29年9月15日掲載)





桜川市農業委員会 谷島知子委員 深谷加津子委員
               廣澤貴子委員

       - 「女性の柔らかさ」で農地相談も -



 谷島知子委員は平成26年9月から、深谷加津子委員、廣澤貴子委員は昨年4月の改正農業委員会法の施行にあわせて桜川市農業委員に就任しました。

 谷島さんは米、ソバ、麦、大豆等を大規模に経営。深谷さんは洋蘭や草花の苗をバイオテクノロジーを利用して生産、廣澤さんは米の生産と近年6次産業化に取り組みパンを製造しています。

「農地法の許認可は、法律に基づき現地調査や審議により判断される。農業委員になり、その責任の重さを痛感した」という3人。日頃から農地に目が向くようになったといいます。

 また、担い手の高齢化等により引退する農家が増えている現状を危惧しています。「農地は地域の財産として、後世に受け継いでいく必要がある。そのためには、集落営農組織など、中心となる担い手を核として、定年して帰農する方も仲間にし、地域を維持して行くことが重要」といいます。

 そんな中、市では重点地区を選定し、農業委員と農地利用最適化推進委員が連携して集落座談会を開くなど、担い手等への農地集積を進めています。今後はその地域を拡大して、地元農業者などに理解を得ながら、担い手に効率よく集積を図ことが重要であるといいます。

 最近は、農地に関する相談も受けられるようになってきたといいます。「女性だから話しやすいのかしら」と微笑む。先輩委員や事務局と打ち合わせしながら対応にあたっています。一つ一つ実績を積み重ね、農業者の信頼を得ることも大事な仕事であるいいます。

 「将来に渡り、守らなければならない農地は守っていかなければならない。空気が澄み、環境が維持されるのは農業が永続され、農地が維持されているからこそ。 農業委員を通じて、地域の維持発展に少しでも役に立てられれば」と話してくれました。


          (全国農業新聞 平成29年9月8日掲載)
 




利根町農業委員会 小倉美代子委員 高橋和子委員

       - 共存共栄・維持発展は信頼関係カギ -


 小倉美代子委員、高橋和子委員は、平成25年1月に利根町農業委員に就任し、現在2期目を務めています。

 小倉さんは、米中心の農業経営を実践し、委員に任命されました。高橋さんは、昨年4月の改正農業委員会法の施行に合わせて新設された「中立委員」として任命され、活動を展開しています。

 農業委員に就任したきっかけは、小倉さんが当時、町議会議員だった髙橋さんの旦那さんから、農業委員への推薦について話があり、はじめは「自信がない」と断っていましたが、「髙橋さんも一緒に農業委員になってくれるなら」と2人で一緒に就任したといいます。

 現地調査や農業者への聞き取りをする際は、先輩委員や事務局職員が同行し、協力を受けながら進めています。ある調査の最後に、農業者の方が「お疲れ様です」とお茶を振る舞ってくれたことがありました。「農業委員の仕事は、地元から信頼されなければ進まない。日々の活動が認められ、信頼を受けたのだなと感じてうれしかった」といいます。

 また、耕作放棄地が記された地図を片手に現地に向かう。問題の多くの農地は、相続されたり、高齢化で農業ができなくなった土地。「荒らしているなら」と隣接の農業者に声をかけて使用貸借など工夫する。所有者から「農地がきれいになって良かった」と喜ばれ、農地の集積にもつながっているといいます。

 「最近は、農業者からの相談ごとも多くなってきた」と話す2人。農地の集積や、交換、売買など「女性委員だから話しやすいのかな」と感じています。「何も分からないから、逆に何でも聞けるし、何でもできる」という2人。2人の活動が、波及し、農業委員会全体としても活性化につながっていといいます。

 地域が共存共栄し、維持発展していくためには、農業者と農地の所有者、農業委員会が連携して、信頼関係を築かなければならない。

 小倉さんと高橋さんは、「大変だからこそ、やりがいのある農業委員の仕事をこれからも頑張っていきたい」と話してくれました。

          (全国農業新聞 平成29年8月4日掲載)
 




行方市農業委員会 小澤悦子委員

       - 女性目線で課題発見、取り組み -

 小澤悦子委員は、平成27年9月に行方市農業委員に就任し、現在1期目。経営は、ハウスのチンゲンサイやミニトマト、米の生産に取り組んでいます。

 結婚を機に夫の実家のある行方市に移住。農業経験がなかった小澤さんは、はじめ「農業を仕事としていることに自信が持てなかった」という。ある時、友人から「女性の幸せは地元の方から自分の存在を認知され、地域に溶け込むことだよ」といわれ農業という職業に誇りを持ち、取り組むようなりました。

 同市の山野貴司農業委員会会長から委員への推薦の話があり、「自分の農業もおぼつかない私に務まるか」と不安だったが、「良い経験になるから」と夫の理解もあり就任を決心しました。

 「農業委員の仕事は、何も知らなかったけれど、最近では、地元で案件があれば、少しずつではあるが相談を受けられるまでになった」と小澤さん。頼られることで「農業委員の仕事は必要なんだ」と自覚を持って取り組んでいると話してくれました。

 一方で、子どもたちへの食育の必要性を訴える。学童指導員もしている小澤さんは、地元の小学校でチンゲンサイの話をしたときに、知らない子たちが多いことに愕然としたといいます。

 茨城県はチンゲンサイの産出額が全国一で、行方市は県内有数の産地。それにもかかわらず、地元の子どもたちがチンゲンサイを知らない。その原因は「学校給食に地元のチンゲンサイは提供されているが、カットし、調理されて給食に出ているため、成長したチンゲンサイの姿を目にすることが少ないのでしょう」話してくれました。また、「地元の野菜だけでも、両親が買い物する時や一緒に料理をする時、さらに学校などでも教える必要があるのではないでしょうか」と話す。

 子どもたちが農業を知り、応援してくれるような人材になってくれるよう、また農業後継者への支援など、女性の目線で気づくことを発見し、取り組んで行きたいと話してくれました。


          (全国農業新聞 平成29年7月14日掲載)
 




大子町農業委員会 鈴木和子委員 齋藤美枝子委員

       - 相談に親身になって対応し信頼得る -



 鈴木和子委員、齊藤美枝子委員は、平成28年4月の改選に合わせ、大子町農業委員に就任し現在1期目。大子町は、米、りんご、こんにゃく、茶、常陸大黒、奥久慈しゃもが特産品で、酪農を営む農家もく多く、2人はともに酪農を経営しています。

 農業委員の募集が始まったときに「女性にも頑張って欲しい」と地元の区長さんから話があり、初めは「大変な仕事だから」と断っていたが、「女性や地域の意見を反映させたい、次の世代も女性の就任につながるきっかけになれば」と思い、地域の推薦を得て農業委員になったといいます。

 1年が経過し、大変だった仕事は「農地利用状況調査」。地元の農地を巡回し耕作放棄地の多さを実感したといいます。かつては農地として耕作されていたところが、現在は荒れて農地としての姿が見られない場所も多く見受けられます。「貸したい」という農地があっても、耕作条件が悪かったり、担い手不足等の問題で貸し付けできなかった場所もあったといいます。

 農地の相談にも対応した。違反転用の相談を受けたときに、町との間に入り親身になって対応したことで、農業者から「相談してよかった」と信頼を得られることができたといいます。「こういった相談活動が農業委員の仕事なのかな」と、やる気につながったと話してくれました。

 一方で、「農業の大切さを知ってもらうには、子ども達やお母さん達に対する食育が重要だ」と話す。自ら種をまき、堆肥などを利用して作った野菜は、甘みや美味しさも違う。そういった体験を通じて、子ども達やお母さん達に、農業の重要性を知ってもらい、農業への理解促進につなげていきたいといいます。

 「山間地で農業を維持するのは簡単ではないが、この土地ならではの農業を見つけ、併せて観光や地元特産などセットにして消費者の理解を得ながら大子町農業の姿を考えていきたい」と話してくれました。

           (全国農業新聞 平成29年4月14日掲載)




稲敷市農業委員会 小貫和子委員

       - 若者を育成、食育で地域活性化 -



 小貫和子委員は、平成24年2月、稲敷市の議会推薦の女性農業委員として就任し、現在2期目を務める。レンコン3.5haと水田13haの生産を息子夫婦と一緒になって取り組んでいます。

 農業委員には、女性農業士として活動していたことがきっかけとなり、女性の声を反映させるため、小貫さんを含む2人が市で初めて女性農業委員として任命された。現在は平成25年2月の改選時に5人となって活動しています。

 「耕作放棄地の増加は大きな課題」と小貫さん。水田は新規就農者やレンコンを規模拡大する人たちによって活用されているが、畑の耕作放棄地は年々増加しています。「相続などにより不在村地主となった農地や、条件が悪く耕作しない農地が散見されるようになってきた」と話す。

 農業委員会では、耕作放棄地の現状を把握するために農地利用状況調査を実施しているが、放棄された場所を地図に記すときにも、地番が分からないなど時間がかかります。また、農地所有者が市外にいるなど、所在が分からず連絡を取りたくても取れなかったり、所得が上がる農作物が見つからず借り手も見つからないなど、解消対策は難しいといいます。

 一方で、稲敷は県内でも有数のレンコンの産地であることから、経営の安定が望めると、Uターンをして新規就農する人たちが増えてきています。若くしてUターンした人は、サラリーマン時代に厚生年金に加入はしていたものの短期間であるため、老後の保証がありません。そこで「農業者年金制度の必要性をよく説明し、農業者の老後の安定にもつなげたい」と制度の加入推進を進めています。

 また、地元女性農業者10人で「ゴットマザー」を組織し、直売所でレンコン、トウモロコシ、季節野菜の販売をしています。組織では食農教育として、保育園の園児によるサツマイモの栽培・収穫体験も行っています。園児や保護者に「農業や食の重要性」を少しでも伝えていたいといいます。園児から「先生」といわれ、うれしくなり、自分たちの活力にもつながっています。

 若い人材の育成を図り、耕作放棄地の解消につなげるとともに、食育を通した地域や自分たちの活性化につなげていきたいと、意気込みを話してくれました。

           (全国農業新聞 平成29年2月10日掲載)





神栖市農業委員会 原 範子委員

       - 夫婦連携 地域農業発展に意欲 -



 原範子委員は、神栖市で施設栽培のピーマン95aと水稲3haを経営。同市では、今年4月、改正農業委員会法の下に農業委員、農地利用最適化推進委員が新たに選任されました。

 原さんは平成22年3月から3年間、農業委員として活動。その時の経験を活かし、再度、女性の声をもっと地域に取り入れてもらおうと農業委員に就任しました。

 早くから、男女共同参画に取り組んできたと原さん。「夫婦で、互いにできることを分担し、隠し事をしないで、いきいきと働き生活をする」をモットーに経営を実践している。夫婦対等で農業経営を行うため、家族経営協定にも積極的に取り組み、自分名義の農地も所有した。「自ら農地法第3条申請等を行うことで、その仕組みを理解することができた。一方で、これまで家のことについて夫に負担を掛けてきたことを知り、互いの役割分担を進めるためのきっかけにもなった」といいます。

 原さんは食育にも力を入れている。「食」が体を作ること、その「食」を作るのは農家・農村であることを子どものころから体験してもらおうと、学校などに赴き、ピーマンを通じた「料理出前講座」や、ピーマン嫌いな男の子を主人公にした「ピーマンものがたり」を地域のみんなで作成し、「食や食を作る農業」の大切さを伝えていると話してくれました。

 今回、夫が農地利用最適化推進委員に委嘱されたことから、より連携が図られ、担い手の育成や農地の利用集積、また、耕作放棄地を解消し花を植える「花いっぱい」の活動にも意欲をのぞかせています。

 女性の活躍は、「女性自ら行動を起こすことが第一。しかし一方で、家族の協力や夫の理解なしにはできない」と原さん。夫と協力し、女性の元気が農村の元気につながることを目標に、地域農業が少しでも発展するよう努めたい。さらに、地域や全国の女性農業者の活躍の場を作りたいと熱く語ってくれました。

           (全国農業新聞 平成28年10月14日掲載)






行方市農業委員 谷田清子委員

     - 消費者の顔の見える直売活動を -



 谷田清子委員は、平成27年9月に行方市の議会推薦の女性農業委員に就任し、現在1期目。JAなめがたの女性部玉造支部の支部長を務めています。本部の女性部部長も務めていたことから、農業委員としての活躍が期待がされました。

 農業委員に就任したことで、農業委員の重要性が分かったという谷田さん。「農地パトロールを行い、普段通る道路も、脇道に入ると作付けがされずに荒れている農地があることが分かった」という。「これまでは目が行き届かなかったが、今は、常に目を光らせ、解消対策を考えている」と谷田さん。「耕作放棄地を解消するには、若者など担い手が農業に魅力を感じてもらわなければならない」と語る。

 そのような中、平成27年10月に、行方市、JAなめがた、㈱白ハト食品工業の共同で、体験型農業テーマパーク「なめがたファーマーズヴィレッジ」がオープンしました。

 「これまで農家は、農産物を出荷すれば、どのように販売され調理されているか見ることがなかった。同施設がオープンしたことにより、出荷した農産物がどのように調理され、レストランで提供されるか確認できる」と谷田さん。「消費者が美味しいといって食べてくださる姿や、直売所での販売を通して消費者の反応を肌で感じることができ、やる気につながっている」と話してくれました。

 さらに、谷田さんは「地域に小さな直売施設を造り、高齢者なども農産物を販売できる体制を整備して、地元の農業者がこれまで培った食文化を農業の6次化に取り入れていきたい。また、加工品を作るなどして、特産品の販売につなげていきたい」と夢は膨らむ。

 最後に、「行方市は農業や漁業など自然豊かな地域。市を知ってもらい、若い農業者や高齢の方も地域振興に一緒に携わってもうことで元気になり、みんなが輝やける街にしていけるよう少しでも貢献したい」と話してくれました。

            (全国農業新聞 平成28年7月8日掲載)






八千代町農業委員 和田ふみ委員 中村さと子委員

    - 営農適地 もうかる農業模索 -



八千代町農業委員会では、和田ふみ委員と、中村さと子委員2名が議会から推薦を受け、平成27年9月に農業委員に就任しました。

 和田さんは、これまでに農協理事を歴任。もうかる農業を目指して、自らも水田経営を実践。「採算の合う価格での販売が重要」と、販売活動にも力を入れています。

 中村さんは、秋から春にかけて、ホウレンソウを栽培。夏は、小ネギ、枝豆を栽培するなど専業農家でもある。2人とももうかる農業を実践するには、「農業委員として農家のために何ができるのか」といつも自らに問いかけているといいます。

 二人とも農業委員になってからは、「農業の基盤は農地であり、農業委員は優良農地を守っていかなければならない重要な役目がある」として、日々、農地の状況や耕作放棄地は発生していないかなど、目をこらすようになりました。

 農地の集積に関して中村委員は、「人・農地プラン」を実践するため、「夫ともに集落の農地をまとめるなどの活動を展開し、効率的な農地利用を図った」と実績を話してくれました。また、耕作放棄地対策にも積極的に取り組み、中村委員は、「農地パトロールで把握した耕作放棄地を何とかしなければ」と、耕作放棄地を解消し、野菜作付けを行うなど積極的に活動を展開しています。

 さらに、「農産物の販売には、農産物のPRが重要であると」和田さん。中村さんも、夫が代表となっている農事組合法人「四季菜くらぶ」での営農・販売活動などを通して、農産物のピーアール活動など自ら実践している。

 両委員とも今後の活動については、「八千代町は、基盤整備も進み、営農には適している地域。今後とも、もうかる農業を考えながら集約を進め、若い人たちに農地を預けられるような農業を推進していきたい」と夢は膨らむ。

           (全国農業新聞 平成28年6月10日掲載)






城里町農業委員 髙圡悦子委員

     - 研修に参加し互いに連携を -



髙圡悦子委員は、平成27年2月に城里町農業委員として就任。ニンニク、ズッキーニ、カリフラワーやブロッコリーなどの野菜を栽培。同町農業委員会 長谷川毅会長からの働きかけもあって、農業委員に就任しました。

 現在、同町の女性委員は1人。先輩委員に助けてもらいながら、農地パトロールや遊休農地の調査など農業委員会活動を行っています。 「まだ、分からない事ばかりです」と髙圡さん。しかし、最近は農地転用の判断など関係法の基準を考えながら、現地調査が出来るようになってきたといいます。

 また、「いばらき女性農業委員の会」にも所属し、「研修会に参加するなかで、知り合いも増え、相互に学び合うことも出来てきた」と話してくれました。

 同町も農業従事者の高齢化や後継者不足が問題で、耕作放棄地も増え続けているが、元気な高齢者と直売所等で接する中で、「まだまだ自分も頑張らなければと励みにもなっている」といいいます。担い手対策については、「新規就農者の育成も、地元の農業者や関係機関と連携するなど、町を挙げて支援が進められており、毎年定着している」といいます。

 髙圡さんは、「これから更に勉強し、自らの農業経営にも参考にしながら、地域の役に立てるよう頑張っていきたい。女性にはいろいろな研修会に参加してもらい、ネットワークを作ってもらうなど、相互に学びあって欲しい」と語るとともに、「女性農業委員のもなってもらい、一緒に今後の城里町農業の発展に少しでも役立つことができれば」と抱負を語って下さいました。

            (全国農業新聞 平成28年4月8日掲載)